人材紹介会社のデータベースに登録されている人材とのマッチングを行うことができます。多くの登録者の中からコンサルタントが企業のニーズに合った人材を紹介してくれるため、人事担当者の採用に関連する手間を削減することにもつながります。
また、採用においては離職率・定着率が課題となる場合もありますが、データベース登録者との精度の高いマッチングを行えれば、その人材が職場に定着して長く働いてもらえる可能性が高くなるメリットも考えられます。
人材紹介会社では、全国にある就労移行支援事業所や福祉施設との連携もしています。企業においてはどこの就労移行支援事業所に依頼を行ったら良いか迷ってしまうケースもあるかもしれませんが、人材紹介会社であればそれぞれの支援機関が持つ特徴について理解しているため、迅速に各事業所・施設と連携し、母集団を形成できます。
人材紹介サービスでは、面接から入社までのスケジュールなどの調整もサポートを行います。例えば面接日程の調整や面接前後のフォローなど、入社までスムーズに進められるように対応を行ってくれます。また、企業に対しても入社前に障がいや配慮に関するオリエンテーションを実施することが可能なケースもありますので、どのようなサービスが受けられるのかを事前に確認しておきましょう。
障がい者雇用に取り組んではいたものの、十分に注力できていなかったので、人材紹介サービスを利用した事例です。こちらの企業では、新卒での障がい者採用のためのイベント運営と母集団形成などの支援を受けていますが、イベントでは一方的な説明を行うだけではなく、先輩社員との座談会も実施。少人数の話しやすい環境を用意するなどさまざまな工夫を行っています。その結果、2023年度の障がい者採用においては新卒採用にて多くの求職者から内定承諾が得られたという成果が挙げられています。
人材紹介会社の採用選考支援や定着支援サービスを利用している企業の事例です。
採用を行う場合には、人材紹介会社からの資料に目を通し、さらに受け入れる側の担当者も面接に参加することで配属先とのマッチング精度を高めています。また、定着支援においては2ヶ月に1度のペースで相談窓口を開設するサービスを利用することによって、障がいを持つ社員が不安なく長く働ける環境づくりを行っています。
以前は一般窓口での募集を行っていたものの、採用後のミスマッチが起こっていたことから、人材紹介サービスの利用を開始した事例です。こちらの企業では、事前に職場環境などを熟知してもらった上で、書類選考から面接・事前実習までの段取りに関するサポートを依頼しました。さらに、採用後も3ヶ月間の定着支援を活用するとともに、受け入れ側の体制や対応についてもケースバイケースで具体的なアドバイスを受けています。
このような支援を受けながら、採用後はまず単純な作業から覚えてもらうといったようにステップをひとつずつ上げるように心がけているそうです。さまざまな支援を受けながら工夫を行っていくことで、人材確保の難しい飲食業界でも人材の定着に繋がっています。
人材紹介サービスを利用するメリットとしては、「高い定着率が期待できる」という点が挙げられます。障がいによる特性はそれぞれの求職者で異なることに加えて、必要な配慮もそれぞれです。人材紹介サービスを利用することにより、このような点も考慮し「安定的に就業を継続できる」と判断された人材の紹介を受けられます。
また、採用から職場への定着まで、一貫したサポートが受けられる点もメリットです。
人材紹介のサービスを利用する場合には、「障がい者雇用のノウハウを社内に蓄積しにくい」という点がデメリットとして考えられます。そのため、人材紹介のサービスを利用しながら、障がい者雇用に関する採用や定着に関するノウハウを積極的に獲得していくことも大切なポイントといえるでしょう。
障がい者雇用を行う場合、採用後の定着率が問題となる場合があります。しかし、人材紹介サービスの利用により精度の高いマッチングを行えれば、その後の定着率向上も期待できるでしょう。また、人材紹介を行っている会社によっては定着支援サービスなどを提供しているところもありますので、どのようなサービスを提供しているかをあらかじめよく比較することが大切です。