障がい者雇用の採用代行とは、採用を行いたい企業の代わりに採用業務の代行や支援を行うサービスのことです。企業の中には、障がい者の採用を初めて行うためにノウハウがない、担当者が多忙で採用業務に注力できないなど、採用をしたいのになかなか取り組めないといった事情を抱えているケースもあるのではないでしょうか。
このような時に活用できるのが採用代行サービスです。採用に関する業務を依頼できることから、自社の採用担当の負担を軽減できます。
採用に関するプロセスにはさまざまなステップがあります。例えば採用準備の段階では、配属部署の策定や業務の切り出し、人材要件のすり合わせ、求人票の作成などが考えられますし、採用を実行する段階では支援機関との情報連携や会社説明会の開催、実技選考の支援などのステップがあります。
採用代行を利用することによって、これらのプロセスを求人企業の代わりに行ってもらえます。さらに、採用プロセス全ての代行を依頼するほか、面接や選考の代行のみといったように一部のプロセスのみを依頼することもできます。
採用代行サービスを提供している会社の中には、さまざまな支援機関とのネットワークを持っているところもあります。このような会社に採用代行を依頼することにより、各地にある支援機関とのネットワークを通じて、希望に応じた候補者を集めることができます。
障がい者採用を行いたいものの経験がなく、何から始めたら良いかわからないために採用代行を利用した事例です。
こちらのケースでは、コンサルタントが障がいを持つスタッフの配置が想定されるポジションや他の業務を体験した上で、さまざまな提案があり非常に説得力があったそうです。まずはモデル店舗での採用を行った上で、他の店舗にも展開できるノウハウやツールを蓄積して障がい者雇用を進めています。その後も、採用計画が思った通りに進まない場合には方針やエリアの修正案を提案するなど、柔軟な支援を提供してもらえる点について高く評価しています。
以前1年間で30名の障がい者採用を行ったものの、1年以内にその半数が退職してしまった経験から、新しい考え方で採用を進めていくために採用代行を利用した事例です。
採用代行サービスの中では、仕事の切り出しや採用支援、定着に関するアドバイスのほか、社内で障がい者社員のイメージが持てていない状態だったことから、マネジメント担当者の育成まで一貫して支援を受けています。その結果、採用後の定着率向上に繋げられました。
グループ会社の障がい者雇用の促進をサポートするにあたり、採用代行サービスを利用した事例です。
こちらの企業の場合、多様な障がいのある社員の雇用経験があまりなかったことから、グループ会社への支援が踏み出せない状況だったものの、採用代行により母集団形成、人材要件、入社前準備及び定着支援といった伴走型のサポートを利用しました。その結果、入社した障がいのある社員の活躍の場が増えてきたと感じられており、グループ会社の担当者も障がいのある社員への理解が深まる効果が得られています。
障がい者採用を行う場合には労働条件や配属先における受け入れ準備など、一般採用とは異なる点があります。そのため、採用代行を利用することによって、求人企業の採用工数を大幅に削減可能です。また、障がい者採用のノウハウがない企業においても採用活動が進められるメリットもあります。
そのほか、採用を行った後の人材定着支援も受けることができるため、これまでの採用において定着率に課題があると感じている企業も採用代行を利用するメリットがあると考えられます。
採用代行を利用する場合、障がい者採用に関する業務を代行してもらえるので、自社にはそのノウハウが蓄積しにくい点はデメリットになります。そのため、定期的なミーティングなどで積極的に情報の共有を行うなどしながら、採用代行を利用した場合もノウハウを残せるように取り組んでいく点も重要なポイントです。
こちらの記事では、障がい者雇用における採用代行についてご紹介してきました。採用に関する業務を代行するサービスであるため、自社の負担を軽減したり、さまざまなノウハウを活用した採用が行えるなどさまざまなメリットがあります。障がい者採用に課題を感じている企業の方は、こちらのサービスについてもチェックしてみてはいかがでしょうか。