当記事では、障害者雇用率制度とはどのようなものか詳しくご紹介しています。現状の達成率や制度の変更点などについてまとめました。
障害者雇用率制度とは、国や地方公共団体、企業などに、一定の割合以上で障がい者を雇うよう義務づけた制度を言います。
労働市場では、障がい者は一般労働者と比較すると、雇用の機会が少ない傾向にあります。
そのような状況にあることから、一定割合の障がい者雇用を義務化することによって、一般の方と障がい者の雇用機会を公平にすることが制度の目的です。参照元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html)
令和3年、障がい者の雇用状況についてチェックすると、企業で雇われている障がい者数は597,786人であり、前年より3.4%増え、過去最高でした。
令和3年度における法定雇用率が未達成となっている企業は56,618社で、そのうち63.9%の企業の不足数は0.5人もしくは1人で、法定雇用率を達成するまであと少しという状況です。
しかし、障がい者を1人も雇用できていない企業は32,644社となっており、未達成企業の半数を超えている状況です。
参照元:厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23014.html)
精神障がいのある方の雇用義務化および短時間労働者の算定方法、法定雇用率等に変更がありました。
障害者雇用促進法の改正が行われ、平成30年4月から雇用義務の対象に精神障がい者が加わりました。
事業主別の法定雇用率は以下の通りです。(2024年4月から2027年6月まで)
従業員を43.5人以上雇っている事業主は、1人以上の障がい者を雇用しなければならないとされているのです。そして、今後も段階的に雇用率の引き上げが行われることになっています。
参照元: 厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/content/000859466.pdf(障害者雇用率制度について。)
精神障がい者の定着を促すため、短時間勤務の精神障がい者の算定方法の見直しが行われました。
また、必ず1人の障がい者が1人の雇用としてカウントされるわけではありません。障がいの種類や程度によってカウントする方法が異なります。
障がい者雇用枠で対象となっているのは、以下の方です。
そして、手帳を有するだけではなく、症状が安定していて就労可能な状態にある方が対象となっています。
参照元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html)
中小企業における障がい者雇用は伸び悩み、さらなる支援の充実が求められています。障がいの種類や特性によって、定着に向けた必要な支援が異なるため、それぞれに配慮した対応が必要になるのです。
上記のほかには、行政の雇用施策と福祉施策との連携を強化し、働く機会に恵まれない障がい者はもちろん、企業における支援ニーズに対応していく必要があります。
参照元:日本経済団体連合会
(https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2021/0218_11.html#:~:text=障害者雇用の課題,した対応も求められる。)
障害者雇用率制度とは、障がいのある方の雇用を義務付けた制度のことです。令和3年度の状況をチェックしてみると、6割強の企業が法定雇用率の達成まであと少しという状況でした。しかし、障害者雇用をできていない企業は半数を超えている状況だといわれています。
障害者雇用率制度の直近の変更点として、精神障がいが対象に加えられたほか、法定雇用率の引き上げ、短時間勤務をしている精神障がい者の算定方法の見直しなどがあるのが特徴です。
障害者雇用における課題もさまざまあり、中小企業における障がい者雇用の伸び悩みなどが挙げられます。働く機会に恵まれない障がい者への支援はもちろん、雇用する側である企業のニーズに対応していくことが必要です。